妄想の街
生まれたのが昭和40年で(56年前)、小さなころはまだスーパーマーケットというものはなかったのでした。もちろんコンビニも。ビニール袋などもない時代。歩いてすぐの斜め前に、おばあさんが切り盛りしているお店があって毎日通ってました。古い木造で駄菓子があってアイスクリームがあって食料品などもならんでいた小さなお店。「しながわ」という名前だった。通称だったのでほんとの店名がわからないけれど…。
小銭を握りしめて、お菓子を買ったり(駄菓子の時代です) 、母のお使いでうどんを2玉とか。あのころ、うどんはビニール袋に入ってなかったのです。蓋つきの長い木のケース(餅を並べるときつかう) に1人分ひと山の茹でたうどんが並んでいて、「うどん2たまください」と言うと、緑色の薄い紙に包んでくれる。お金をわたして受け取ったうどん2玉を手に抱えて走って帰ってた。こんな毎日でした。とっても懐かしいセピア色の思い出です。
お店の人と言葉を交わして、お金のやりとりもしていた幼少の日々。しながわのおばちゃんのお顔、覚えています。物はすくなかったけど今おもえばとても豊かでした。
買いものかごを腕にかけて、豆腐や野菜やおさかなやお肉を買いにそれぞれのお店をはしごする。それが日常だったのです。プラスチックなんてないあのころ。
もう戻れないのでしょうか。スローで優しいあの時代に。いまそんな街があったら逆に可愛くて新鮮なんじゃないかなぁ。
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